喧嘩するほど仲がいい。 義トリオ


骨と骨がぶつかる、にぶい音が響いた。頬を殴られた衝撃で兼続は後ろへと、障子を巻き込んで倒れた。
「み、三成殿、落ち着いてください!」
更に掴みかかろうとする三成を、幸村が押さえ込む。振り上げられた拳から兼続をかばおうとする幸村の眼に、三成は舌打ちをして、力を抜いた。
「何故かばう幸村!この男はお前に、!」
ひどいことを言ったのだぞ、と言葉は続かなかった。幸村が哀しそうに三成を見つめていたからだ。
三成は行き場のない怒りの行方に困って、思わず幸村を突き飛ばしてしまった。幸村は小さく息を漏らして、尻餅をついた。三成はあっと思ったがそれが声に出ることはなく、荒々しい動作で退室した。幸村は三成の後姿と兼続を交互に見比べて、どうすればいいのか困っていたが、慶次が騒ぎを聞きつけて障子を開けて顔を出すと、幸村は入れ違うように障子から身を乗り出して、
「すいません慶次殿!兼続殿を頼みました。」
言うや、足早に三成が消えていった廊下を抜けて行った。





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みっちゃんとかねっつ(本日はあだ名でお送りしています)が喧嘩するのが書きたかっただけの話。本気で喧嘩して欲しい、この二人には。みっちゃんは手が早そう。かねっつは切れたらすごそう。取っ組み合いの喧嘩して、ゆきちゃんが二人の間であわわして、喧嘩の後、自己嫌悪してるみっちゃんの話し相手になってあげるのが左近。大丈夫ですよ、殿。幸村も一緒に謝ってくれるそうですから。拗ねてないで。大丈夫ですって。あんまりうじうじしてると、幸村呼びますよ。(みっちゃんはゆきちゃんの哀しそうな顔に弱いといいな) 喧嘩を止めてくれるのはおねね様。(結局は、力ずくですよね。)
06/05/29