目が眩むような色彩 Air.様 三幸
ひどい事を言ってしまった。三成は三秒もしないうちから自己嫌悪に襲われたが、自分の性格上、自分の言葉は撤回できないのだ。そうしなくとも、何か言いつくろえばいいのだけれど、己の恨めしい性格ではそれすら望めない。気まずい沈黙に気まずい空気。三成は、自分がそわそわきょろきょろしているのがひどく気に入らないから、どんな時でも視線をさ迷わせたりはしない。まるで幸村を責めるかのように、三成の視線は正面にいる彼に注がれているのだ。
「ああ違うのだ幸村。そうではなくて、俺の性分なのだ、分かってくれ幸村。」
と言ってしまえば、幸村は何も言わずとも頷いてくれるだろう。けれど、この頑固な口は素直、という言葉に背を向けたままなのだ。
「ゆ、」
心の中では縋るように、けれど声にしてしまえば、傲慢に振舞う己の言葉。本当に、どうにかならないだろうか。
「私が三成殿を嫌いになる日など、来るはずがありません。」
三成の想いに欠片も気付いていないくせに、全てを見透かしたような言葉を言った彼の笑顔の、あまりの眩しさに目を細めたのだった。
***
悶々みっちゃん。が、書きたかっただけ。
愛されてる幸村が好きなので、私が書くとカップリング要素がなくて困ります。
06/06/01