言葉遊び
「おまえがいとしい。」
三成はそう言って、幸村の顔を覗き込んだ。幸村はその向けられた視線の真っ直ぐさに、思わず呼吸を忘れた。
この人は、"好き"でもなく、"愛している"でもなく、"いとしい"と言うのだ。
「みつなりどの、みつなりどの。」
私にはその言葉は勿体のうございます。私などに向けてよい言葉ではございませぬ。いつか世継ぎを産んでくださる、何よりも大切な女子にこそ相応しい言葉にございます。
「その言葉は、これから出会うであろう誰かの為にとっておいてください。」
そして幸村は、三成の視線を避けるように、その場から逃げ出したのだった。
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突発的に。司馬先生の御本を読んで、当時の男色を物凄い勘違いしてたことに気付きました。が、インスピレーションで書いてるので、そのままのイメージでいきたいと思います。
06/09/17