「あ、」
幸村は三成の肩越しにとある人物を見つけて、思わず声をあげてしまった。三成はつられるように振り返り、その人物に目をやった。幸村の嬉々とした声が三成を通り抜けてその人物へと届く。
「義父上!お久しぶりです!加減はよろしいので?」
ああ幸村殿、と言葉を続ける大谷刑部。三成と吉継の目が一瞬だけ合う。刹那に交わされた言葉と、散った火花に気付かなかったのか幸村だけだろう。
(紀之介、いつの間にそんなおいしいポジションを…!)
(お前には一生無理な立場だろうな、佐吉)
どうだ羨ましいだろう、と言うように幸村へと話し掛ける吉継なのだった。
***
大谷刑部殿の性格をどうしようかな、と思ってます。楽しい。於利世はそのうちお竹になってるかもしれないです。同じ人物ですので。於利世のイメージは案外固まってるんですが、大谷殿は偉大過ぎてどうしよ。みっちゃんからかって遊んでると思うのは私だけかな。義父上、って慕ってくれる幸村が可愛い。一応女だってことは皆には隠してあるけど、大谷殿は可愛い娘が一人増えたって思ってるといい。だから周りの不逞な輩にも睨みをきかせてます。みっちゃんに幸村をやるつもりなんてないのよ、大谷殿は。
06/12/09