大体こんな感じ。
・幸村さんは堕天使です。ここでは悪魔と同義です。
・でも堕天使というのは役割を表すものなので、天使に善悪の区別はありません。
・なので、普通に三成とも仲良しさんです(三成は座天使辺りだと思う)
・幸村が司ってるのは『暴食』
・ホントは初めに『暴食』に指名されたのは元親なんですが、あまりの少食っぷりに異動させられました。という小ネタがあります(どうでもいい)
・ちなみに元親が抜擢されたのも急ごしらえの話だったのです(ホントどうでもいい)
・幸村の仕事は、とりあえず人々に暴食するよう誘惑すること(なんて大雑把な説明!)
そんな下地の話です。
幸村が気まぐれに顔を覗かせた洞穴に、一人の若者の姿があった。何日もこの洞窟にこもっているのだろう、衣服はぼろぼろ、髪もぼさぼさに伸ばし放題であった。その身なりは決してきれいとは言えず、潔癖症の知り合いにとっては、みすぼらしいけがらわしいと吐いて捨てるだろう。だが幸村は、そんなことは気にならなかった。若者はこの薄暗い洞窟の中で、なにやらうんうんと唸りながら、必死に何事かを見出そうとしていたのだ。彼は己の無我の境地に辿り着こうと必死になっているのだ。幸村は、まさにその姿に一目惚れをしてしまった。眉を寄せ、ああでもないこうでもない、と必死になって、それは憐れみを感じさせる程に必死になっている姿に、幸村は惹かれてしまったのだ。幸村はそれ以来、その若者を観察している。何度か木の実や獣の肉などを洞窟の入り口に置いてやるのだが、その若者は手を付けようとはしなかった。食料を見て"食べる"という行為を思い出しては、己の手で食料を入手してくる。そうしてまた、数日洞窟にこもってしまう。幸村は己の救いに見向きもしない若者のつれなさに少しだけ寂しく感じながらも、悪魔の誘いに惑わされない、その若者の高潔さにますます惹かれた。悪魔の誘惑は、人々への試練なのだ。
しかし、その日、ついに幸村の心を揺さぶる大事件が起こってしまった。あの若者が、とうとう己の答えを見つけてしまったのだ。その顔には、あの日うんうんと悶絶していた姿は影も形もなかった。幸村は、唐突に想いが冷めてしまったのだ。幸村は生すら忘れて没頭しているあの若者の横顔を一番に愛していたのだ。
『あなたは悪魔の試練を乗り越えました。それを誇りに思いなさい。』
そう告げて、幸村はさっさと天界へと戻ってしまった。若者もまた、夢から覚めたような心地であった。夢の中にまで姿を現した存在は、あまりに素っ気無く己を見限ってしまったのだから。
***
妄想終わり!始まってちゃんと終わるのが武幸だと思うので、そんな感じで。色々説明足りないけど、まあええじゃないか(こら) あ、ちなみに、武蔵が幸村があげた食料に一切手を出さなかったのは、毒を盛られてる可能性を考えたからです。武蔵は誰からの施しも受けないんだぜ!という意地なのです。段々武蔵も可愛くなくなるね、なんでだろうね。
02/11