「ああいう人、俺は苦手だなぁ」
と、まるで独り言のように呟いた半兵衛の視線の先には、次の戦に備えて一人槍を振るう若者の姿があった。真田家から人質として豊臣家に送られた、真田幸村である。人柄は温和で、人当たりも良い。個性派ばかりの豊臣の中でも、上手にとけ込んでいるようだ。才覚溢れる若者を好む秀吉も、特に彼には期待をしているのだと、半兵衛は本人の口から聞いた。戦の才は目を見張るものがあり、こればかりは生まれ持った才能と言うほかあるまい。手元に置いて大事に育てるには申し分ない素材と言えるだろう。その幸村を指しての台詞である。秀吉は珍しい軍師の言葉に、好奇心のままに、それはなんでじゃ?と問う。
「ああいう人はさ、軍略なんてもんがてんで通用しない。俺が天才だって言われてるのは、うま〜く人を使って勝利に導くからでしょ。でもああいう人は、そんな小手先の小細工なんて必要ないんだよね。自分で流れ作って、空気変えて、俺が折角組み立てた戦の全容を勝手に塗り替えちゃうんだから」
半兵衛はもう一度、苦手だなぁ、と呟いたが、それを聞いた秀吉は、幸村の成長が楽しみじゃて、と笑うばかりだった。
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幸村とはんべの絡みを考えてみた。けど、とりあえずシナリオ内では絡みはなかったので、完全な妄想です。口調とか、おぼろだよ!ていうか、史実でも絡みないんで、時系列自体わかんないけどね!歴史群像で二人が仲良くなる話あったけどね。私的に、この二人は考え方だとか思考だとかそういった内面的なものがすごく似てると思ってたんですが、ムソはその妄想を悉く裏切ってくれるよね!
09/12/13