お館様×幸村 で言葉遊び。被害者は佐助。あ、幸村はnot童貞・ホモ嫌いを通り越して、ホモ滅びろな勢い。





 勝ち戦の宴も終わり、信玄は幸村と静かに酒を酌み交わしていた。姿は見せていないが、佐助も天井裏で見張りをしているはずだ。すっと空いた杯を差し出せば、幸村が素早くその中を満たす。どれほど呑んでも正体を失う程酔っ払えぬのは、果たして良いことだろうか、それとも。

「時に幸村、そろそろ寝所に入らぬか?」
「いくらお館様からのお誘いでも、そればかりはきけませぬなぁ」
 ぐいとお互いに杯を仰ぐ。強い酒が喉を焼くも、頭は冴え冴えとしていた。
「連れぬことを申すな。そなたほどの男、一度は味おうてみたいものじゃ」
「わたしはそちらの礼儀はとんと知りませぬゆえ、固辞させて頂きたく。あ、一人寝がお寂しいのであれば、うちの佐助なぞ推挙致しましょう。ほれ、佐助おるのであろう!佐助!」
 天井裏から、ガタガタ!と物音がして、転がり落ちるように佐助が二人の目の前に姿を現した。忍びとは思えぬ動揺の仕方に、二人は隠れてにやりと笑みを作る。
「だ、旦那!俺をそういう風に売り込むの、やめてくんない?!」
「何を言う。佐助の器量良しは俺がよくよく知っておる。容姿も中々に整うておるし、お館様もお気に召すはずよ!」
「そういうことじゃ。今宵は頼むぞ!」
「ちょ、大将も悪ノリしすぎ!勘弁してよ!!」
「、と思うておったが、佐助がそっちに目覚めてしもうては、色々と面倒だ。人肌恋しいと寝所に忍び込まれても困るしなぁ」
「旦那!」
 悪ガキのように口端を上げて笑い合う信玄と幸村の仕種に、佐助はようやくからかわれたのだと覚る。滅多に冗談を言わないくせに、冗談を言ったら言ったで性質が悪い。佐助は安堵を息をつきつつ、恨みがましく二人に視線を送った。
「というわけで、此度は勘弁してくださいませぬか。これはわたしの大事な佐助ですので、お館様にも譲れませぬ」
「ふむふむ。では儂は、そちの口から寵愛を賜りたいと言わせる男になるよう、ますます精進するとしようかのぅ」
「そんなお館様!既にこの幸村、お館様に心底惚れ申しておりますれば!」
 知っておる知っておる!ほれ呑め呑め、と酒を注がれて、幸村は一気に飲み干した。もうやだ、この二人‥、と心底疲れた顔をして二人を眺めていた佐助だが、急にくるりと振り返った幸村が、あくどい顔をしてにやりと微笑んだせいで、佐助の心ノ臓は早鐘を打つ羽目になってしまった。
(どうせ、俺はそんな旦那にベタ惚れなんですけどね!!)





***
幸村、じゃない…。バサ幸から可愛げを取ったら、辛辣さとサドっ気しか残らなかった。私の脳内のバサ幸は、冗談抜きでこんな感じのノリです。老獪さをちょっとずつ身に付けました。世渡り上手とはまだまだ言えませんが、無邪気さがなくなった代わりに、喉元に切っ先突きつけられたような一瞬の鋭い色気で何とか誤魔化して生きてます。BSRのダテサナは、オトメン伊達×男前(時々サド)幸村です。超カオス!伊達はさておき、幸村はノンケ。
ちなみに、この会話を無双でやったら、幸村はまずマグロでしょうね!(ホント品がないわ!) ムソ幸の方が衆道が似合う(…)
09/04/13